KRIニュースレター 第56号
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《二次電池》 エネルギー変換研究部 次世代電池研究室 次世代電池研究室長 西島 主明 次世代電池研究室では、これまでの蓄電池の技術的な限界(700Wh/l、2000W/kg)を突破し、超高エネルギー密度、超高出力、長寿命、高安全性等を実現するための新しい蓄電池技術の実現に向けて、「次世代電池材料・デバイスの実用可能性探求」を行います。具体的には、固体電解質をキーマテリアルとする全固体電池向け材料・デバイス開発支援、マテリアルズ・インフォマティックスを活用した開発支援に軸足を置き、高度評価分析技術やその他の材料技術等により前述の開発をサポートします。 技術領域 ●全固体電池向け材料・デバイス開発技術 ⇒KRI標準固体電解質、超低湿度合成・評価技術 ●マテリアルズ・インフォマティックスを活用した材料設計技術 ⇒数万個の既知の物質データベースと数百万のバーチャル組成に対して独自のノウハウにて特徴抽出を行い、機械学習により類似性を見つけるための判別規則を作成し、バーチャル組成の中から存在する可能性の高い新規化合物の候補を予測します。 また、統計的な手法により量子力学に基づく第一原理計算とビッグデータ解析に用いられる統計的手法を駆使し、機能設計により開発を加速化します。 ⇒量子力学、ビッグデータ解析、情報工学、機械学習を組み合わせた、効率的な機能性材料設計技術 ●高度分析評価技術 ⇒非暴露表面元素分析、非暴露光学分析による電極表面反応機構の解明、放射光による元素の状態分析、電極反応in-situ計測技術 ●その他材料技術 ⇒ゾルゲル法を適用した次世代正極材料技術、活物質/炭素複合化技術、表面改質技術、カチオンリッチ系新規正極材料、材料キャパシタ用新規プリドープ技術 KRIからの新規提案 ◆全固体電池向け材料・デバイス開発支援 全固体リチウムイオン電池の魅力は、高安全性、長寿命、高電圧化、バイポーラ等の基本素養があることにあります。 KRIでは全固体電池・材料の開発、試作、評価のためのKRI標準固体電解質、水分を極力排除した露点-70℃低水分ドライルーム、合成設備、電池試作環境、評価設備、ドライルーム内ドライボックス等により、全固体電池向け各種材料・デバイスの開発支援を目的とした受託を開始しております。また、固体電解質の界面に着目し、マテリアルズ・インフォマティックスを活用した界面設計、コーティングにより固体電解質特有の課題解決を提案します。 固体電解質向け低露点合成・試作評価環境と設備
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