KRIニュースレター 第56号
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 ◆高分解能・高感度元素マッピングで新規材料開発や劣化機構の解明に貢献 高分解能で軽元素にチューニングしたFE-EPMA(電界放射型電子線マイクロアナライザ)を駆使し、軽元素から重元素まで幅広い対象に対して〜100nmレベルの空間分解能で元素や化学状態の分布の可視化(マッピング)を実現。 これまでKRIが蓄積してきた材料に対する豊富な知識やノウハウ、試料の前処理技術、データ解析技術などとの組み合わせにより、新規材料の機能性発現機構の解明や腐食を含めた材料の経年劣化原因の解明などに対して(加速劣化試験、耐久試験などのご要望にもご対応します)、従来技術では得ることができなかった高付加価値な情報と、材料劣化に対する解決策を提供します。 銅の応力腐食割れ部における元素分布 市販SOFCセルの電解質界面における微小部元素分布 ◆前処理不要のDARTイオン化質量分析による、迅速なオイルの異同分析 試料をイオン源にかざすだけで含有成分をイオン化できるDART(Direct Analysis in RealTime) イオン源と、質量分解能に優れるTOFMS(飛行時間型質量分析法)を組み合わせた分析系を導入し、各種オイルの質量スペクトルパターンをデータベース化しています。これらを駆使して、従来長時間を要した現場回収品オイルの油種確認を迅速に行えるようになり、適切な油種であったか、特に高分子材料に影響を与えうる油種であったかどうかなどの判断材料を提供します。 各種オイルの質量スペクトル ◆温度可変のXRDによる異種材料界面の応力解析 金属─樹脂などの異種材料界面においては、物性の違いから使用温度における応力発生で界面剥離が生じることが予想されます。XRDを用いると格子のひずみ測定から界面応力が実測でき、更に弊センター自作の試料ステージにより-40〜800℃までの温度で測定を可能としました。ヒートサイクルを模擬した測定などにより、界面剥離の原因となる応力値を提供します。 《ご提案》 ・材料候補探索やトラブル予測、熟練技術の数値化 ・材料の劣化度の評価と耐久性向上方法の提案 ・油脂・添加剤起因のトラブル原因究明 ・使用温度における応力解析による界面剥離原因調査樹脂コートアルミ箔のXRD応力解析結果

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