KRIニュースレター 第56号
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《新素材》 新機能性材料研究部 新機能性材料研究部長 佐藤 正洋 新機能材料研究部では、有機合成技術、高分子合成技術(リビング重合、グラフト重合等)、有機および無機ナノ粒子合成技術、分散技術および成形加工技術等をベースに、機能性有機材料、有機・無機ハイブリッド材料、機能性微粒子、ナノコンポジット、ポリマーアロイ、新規炭素材料、撥水撥油剤、親水化剤及び防曇剤等の開発を行っています。主に自主研究に基づく提案型プロジェクトを通してクライアントの方々の研究開発の支援を行っています。 技術領域 ・有機合成技術 ・高分子合成技術(リビング、グラフト重合、重合結晶化、固相重合) ・ナノ粒子合成技術 ・マイクロ/ナノカプセル化技術 ・表面修飾(撥水・撥油、親水、防曇)技術 ・ナノコンポジット化技術 ・成形加工技術 ・分散(有機材料、無機材料、炭素材料)技術 ・分離精製技術 ・統計的手法による物性予測(屈折率、SP値等) KRIからの新規提案 ◆ケイ素系防曇剤 表面の親水性(濡れ性)の向上や防曇性の付与を行うことが可能なシリカ系及びシランカップリング剤系超親水コーティング剤です。メガネレンズへの防曇性付与やプラスチック(PP、PC、PET、COP等)への親水性付与が可能です。上記特性のほか、マイクロ流路(MEMS流路等)における水の流動性向上が可能です。また超親水化により汚れや血液及び蛋白質の付着防止機能が期待できます。 (未処理) (防曇処理済) 水蒸気による防曇性試験 ◆酸化グラフェンを用いた窒化ホウ素の表面処理 酸化グラフェンが窒化ホウ素粒子表面に吸着しやすい性質を利用して、窒化ホウ素表面を改質する技術を開発しました。本技術によると、酸化グラフェンの吸着により不活性な窒化ホウ素表面に炭素成分と極性基が導入されるため、窒化ホウ素と樹脂との界面親和性が改善されます。そのことにより、熱伝導率が20〜23%向上することを確認しました。酸化グラフェン分散液に窒化ホウ素を混ぜるだけという簡単な処理方法と、酸化グラフェンの量産化が現実的となった現在、コスト面でも検討価値のある表面改質方法と考えられます。 酸化グラフェンが付着した窒化ホウ素のSEM写真 ◆感温相分離液体による金および白金の抽出 室温では水と均一に混和し加熱すると水と相分離する感温相分離液体のなかから、金および白金との親和性が高いものを見出しました。該金属を含む水溶液に感温液体を溶解すると、室温では均一溶液になります。加熱すると、相分離して該金属は感温液体に抽出されます。従来技術では抽出溶媒が必要でしたが、本技術では感温液体が抽出剤と抽出溶媒を兼ねることが可能です。 感温相分離液体による抽出の様子
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