KRIニュースレター 第56号
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《新素材》 デバイスマテリアル研究部 デバイスマテリアル研究部長 樋口 章二 デバイスマテリアル研究部では、製品の品質向上を促す機能性ナノ粒子、機能性フィラーのご提案を通じてお客様の研究開発に貢献しています。機能性ナノ粒子については、原料およびプロセストレーサビリティーを重視した研究開発体制を強化しており、これら材料を用いたデバイス開発で発生する各種課題に対して、迅速な原因究明に対応できるようにしています。材料・プロセス・物性、さらにはその製品の事業性についてもお客様のご要望に応えるべく、日々未来の提案をご用意しています。 技術領域 ・機能性ナノ粒子 ・金属/半導体ナノ粒子 ・機能性色素 ・水熱・ソルボサーマル ・超臨界ソルボサーマル ・In-sitラマンプロセス追跡 ・樹脂成型加工 KRIからの新規提案 ◆フィルム型温度センサーの開発 独自に開発した塗布型材料を用いたフィルム型温度センサーです。 微細化に適しているため、多数のセンサーを集積して温度分布を観測することが可能です。対象物表面に直接接触させる方式なので、赤外線サーモグラフィーでは難しい物体内部の温度モニターが可能です。 また人体に貼り付けておけば、服を着たままで体温分布をモニターすることも可能です。様々なアプリケーションを提案します。 図1 3 × 3 配置温度センサマトリックス ◆化学蓄熱を利用した蓄エネルギー技術の開発 化学蓄熱材を様々な形状で利用するため、樹脂との複合材を開発しました(シート、繊維、中空、塗料等の形状で利用可能)。透湿性の樹脂を用いることで、水分を含ませた際に発熱が見られます。安全、簡便な熱エネルギー貯蔵技術として、例えば非常時の熱源等に利用できます。 図2 化学蓄熱材含有樹脂シートイメージ ◆高精度比熱測定 熱マネジメント材料の重要なパラメータのひとつである熱伝導率は、正確な比熱の値なしでは精度の良い値は得られません。同一材料であっても材料形態によって、実際の比熱は大きく変化します。そのため、精緻な製品設計を追求する開発現場では、実際の材料について迅速かつ正確な比熱測定が求められています。弊部では、DSC法による一般的な測定精度± 3 %よりさらに高精度を担保しつつ、よりスピーディーな比熱測定法を開発中で、お客様の熱マネジメント材料開発のスピードアップに貢献します。 図3 比熱測定精度

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