GHz帯用広帯域電磁波吸収材の開発

●従来に無いGHz帯を広帯域で吸収する電磁波吸収材の開発
●樹脂中での電磁波吸収性フィラーの分散状態を制御

目的・背景

●無線LANやミリ波レーダーなどの各種の無線通信が急速に普及しています。これに伴って、電磁波吸収材への要望が高まっています。

●今後利用が進む10GHz以上の高周波数帯では、従来使われてきた電磁波吸収材は吸収能力に劣り、新たな材料が必要となります。樹脂にカーボン系フィラーを添加したものは吸収帯域が狭いという問題がありました。KRIでは、GHz帯を広帯域で吸収する材料の開発を目指しています。

本技術の特徴

樹脂中の電磁波吸収性フィラーの分散状態を制御することにより、GHz帯の電磁波吸収能力が向上することを見いだしました。

フィラーの分散状態を制御したものは、通常分散したものより約3桁体積抵抗率が高く、反射波の割合が少なくなりました(透過波はいずれも少ない)⇒電波吸収率が向上

関連する学会発表
ポリマー材料フォーラム2014年11月7日

KRIからのご提案/今後の展開/期待される成果など

●樹脂中での電磁波吸収性フィラーの分散状態を最適化することにより、電磁波吸収能力の一層の向上を目指します。更に、高周波を吸収する磁性フィラーの合成も検討中です。

●10GHz以上で使用可能な高性能の電磁波吸収材を開発し、無線通信機器の性能向上や電磁波が引き起こす諸問題(通信障害やセキュリティの問題など)の解決に貢献します。

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スマートマテリアル研究センター