新機能性材料研究部

負の熱膨張性ZrW2O8ナノ粒子と低熱膨張性ナノコンポジット

●熱膨張による物性変化の抑制に有効

●樹脂や金属材料に応用可能

目的・背景・課題

背景 ZrW2O8は広い温度範囲で等方的な負の熱膨張を示す物質である。従来から水熱合成法によりZrW2O8粒子は合成されているが、この方法では1μm以上の長さを持つ棒状結晶となりやすい。このような長い粒子ではコンポジットとする場合の成形において多くの問題が発生するため、ナノサイズの粒子が求められている。
目的 少なくとも長径500nm以下のZrW2O8ナノ粒子の合成とナノコンポジット化方法の開拓を目的とする。

本技術の特徴

ZrW2O8ナノ粒子の合成

  • ZrW2O7(OH)2(H2O)2を水熱法で合成し、これを600℃前後で焼成することにより結晶性の良いZrW2O8粒子を得ることができる。
  • ZrW2O7(OH)2(H2O)2の結晶サイズが焼成後のZrW2O8粒子サイズを規定しているため、KRI独自のソルボサーマル法によりZrW2O7(OH)2(H2O)2結晶サイズの制御を検討した。
  • 現在、幅20-70nm、長さ200-700nmのZrW2O8ナノ粒子が得られている。
  • ポリカーボネートナノコンポジットにおいて、熱膨張抑制効果を確認。
Fig.1 ZrW2O7(OH)2(H2O)2のTEM像
Fig.1 ZrW2O7(OH)2(H2O)2のTEM像
Fig.2 ZrW2O8のTEM像
Fig.2 ZrW2O8のTEM像
Fig.3 ZrW2O8のXRD分析結果
Fig.3 ZrW2O8のXRD分析結果

今後の展開

  • 更なる微粒子化(20nm程度)と各種樹脂とのナノコンポジット化および熱膨張抑制効果の確認。
  • ナノコンポジットの応用展開に関する委託研究を募集中

お問い合わせ先
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株式会社KRI 新機能性材料研究部 花阪・在間
TEL:075-322-6832
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