KRIニュースレター 第59号
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《二次電池》エネルギー変換研究部 電池評価・解析室 蓄電デバイスワンストップサービス 電池評価・解析室長 加藤 史朗 電池評価・解析室は、エネルギー変換研究部内において、電池・モジュール・パック製品化に関し、材料〜部材〜セル〜モジュール〜システム〜ユーザーと材料研究から商品化まで、デバイス面からクライアント様技術開発を支援しています。特に高エネルギー密度化要求が益々高まる電動車輌向け及び定置用蓄電システムを始めとし、長寿命化、安全性等向上への要素技術開発、先進電池(新規材料、全固体系等)の電池設計・プロトタイプ試作・工程開発、システム(モジュール、パック)設計、各ステージにおける評価解析(課題抽出、設計へのフィードバック)等を実施しています。[技術領域] 「デバイス(電池・キャパシタ)からシステム」に関する研究開発・評価解析受託、クライアント様開発支援 電池製品化支援:高度電池試作技術、カスタム対応(構造設計、新規工程開発、量産化技術構築) ☞TREND:クライアント様新規材料のポジショニング、課題抽出、改良策提案 ☞TREND:実製品化を見据えたカスタム設計・プロトタイプ試作 ☞TREND:セル内反応均一性シミュレーション(表面・断面方向) ●蓄電デバイスの寿命評価・解析(独自アルゴリズム) ☞TREND:温度・抵抗因子を考慮した寿命推定 (限界負荷特性、低温充電特性、二次劣化推定) ●セル・モジュール・パックの安全性評価・解析 ☞TREND:独自の内部短絡模擬試験法 ☞TREND:モジュール内熱暴走連鎖対策 ☞TREND:大型電池の安全性挙動推測(独自の小型電池系モデル試験) ●電池モジュール・パック・システム開発支援(システム・制御設計、電池基盤技術活用、特殊評価支援) ☞TREND:システムコンセプト(仕様、環境、寿命)と電池固有特性とのマッチング(セル選定指針) ☞TREND:ライフサイクルコストシミュレーション(材料×セル化×システム設計×「制御アルゴリズム」) ☞TREND:システム設計支援(制御ロジック、SOH検知、インバータ・コンバータ・負荷側とのマッチング) [KRIからの新規提案] ◆「LIB関連事故主原因の内部短絡を模擬し克服するには」 国内でもここ20年間、LIB関連事故はおよそ350件に上り、90%以上が熱暴走以上、そして60%以上が内部短絡起因です。内部短絡は異物混入、金属析出、局所的加熱、電池・電極の変形など種々の要因で発生するもので、保護素子・保護回路等で防止が困難な現象の中、オリジナル内部短絡試験法(特許第5503183号、IEC TR62660-4等)による挙動推測等、安全性向上技術構築を支援しています。 ◆「これからのセンシング/制御技術開発支援」 新たに問題視され始めた寿命、安全性課題に対し、システム設計においては安全率を掛けて逃げる体制から、単電池性能を最大限に引き出し、電池システムとしての付加価値を向上させる制御技術が希求されており、KRIにおいても、簡易的には予測不可能な事態に対し、新たなセンシング、アルゴリズム開発を提案しています。
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