KRIニュースレター 第59号
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◆直接イオン化(DART)-高精密質量分析による、プラスチック添加剤や油種の迅速な同定 DARTイオン源と、TOF-MS高精度質量分析により、高分子材料中の添加剤成分を前処理なく同定でき、微量でも迅速に分析が可能となりました。 また、構造の違いを調べるのが困難であった鉱油系オイルも、精密質量分布から差異が明らかになり、付着オイルの履歴の特定や、使用環境での劣化状態解析などが実施できます。 PEペレットの添加剤同定分析(DART+TOF-MS) ◆FE-EPMAによる樹脂中の低濃度金属元素マッピング 電子線の材料に対するダメージを抑制した独自の前処理法により、樹脂中の1 wt%以下の微量金属の元素分布を可視化できます。 金属イオンによるプラスチック劣化分析や樹脂-金属界面における特定元素の偏在など、有機系材料においても高感度な分析を行い、劣化因子や機能性発現メカニズムを解明します。 銅イオン添加耐久試験PEの銅元素マップ(FE-EPMA) ◆「勘と経験」の定量化 生産現場での技術者の「勘」や「経験」の継承が問題となっています。熟練者の作業をマニュアル化したりOJTで伝承したりという手法では限界があります。原料種や作業条件、中間生成物の状態など、さまざまなデータから総合的に判断して実際の生産条件を決定しているはずですが、全て明文化し伝承することはかなりの困難が伴います。 運転・作業データと入力・出力に関するデータが十分にあれば、機械学習・AIの手法を用いることで実際に行った処理がどのような条件に従ったものなのかを探索することができ、数式化も可能となります。 ◆お客様ニーズに適したAI活用法の提案 AIは様々なことができますが、その本質は大量のデータから類似したパターンを抽出することです。 AIが得意なことそれを利用してできること 大量のデータから「似ているもの」を選び出すこと「似ていない」ことを利用して異常判定ができる。 パターンを発見することあるパターンに入りそうなら残りもそうなると推定ができる。 データから学習してより良い組み合わせを探索すること勝つための「手」を探索することができる。  お客様ニーズに合わせて、お手持ちのデータに最適なAIの活用法をご提案致します。 (ご提案)・材料候補探索やトラブル予測、熟練技術の数値化 ・材料の劣化度の評価と耐久性向上方法の提案 ・微量な添加剤起因のトラブル原因究明 ・ナノレベルまでの薄膜界面応力解析(使用温度での)

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