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座談会

先輩×後輩のクロストーク

チーム協働で未来に挑む
研究現場のリアル

エネルギー変換研究部 先進電池・キャパシタ研究室に所属する2人の研究者。
普段どのような環境で働き、どんな研究に取り組んでいるのか、
現場のリアルを語ります。

Profile

社員プロフィール

近藤 史也

  • エネルギー変換研究部
  • 先進電池・キャパシタ研究室
  • 室長

2020年入社

研究を通して顧客へのアウトプットができること、年功序列ではなく一人ひとりの挑戦や成果が評価される環境であること、業界内のさまざまな企業や大学などの研究機関と交流できることに期待し、メーカーからKRIに転職。

清水 章弘

  • エネルギー変換研究部
  • 先進電池・キャパシタ研究室

2022年入社

大学卒業後、潤滑剤メーカーで開発を担当するも、二次電池分野に関わる研究がしたいという思いからKRIに転職。周囲と上手にコミュニケーションを取りながら目下急成長中。

Theme01

前職での経験や大学時代の学びを糧に、研究員として
活躍する2人の転職動機と現在の仕事内容

近藤

前職は電池メーカーで二次電池の開発をしていました。やりがいのある仕事でしたが、研究成果が必ずしも製品化につながるとは限らず、次第にモチベーションを保ち続けることが難しいと感じるようになりました。そんななか、日々の研究を通してお客様へのアウトプットにつながる仕事ができるKRIを知り、転職を決意しました。現在は、エネルギー変換研究部の先進電池・キャパシタ研究室に所属し、2030年の社会実装を見据えた超長寿命電池の研究開発を担当しています。お客様によって取り組むテーマはさまざまで、材料メーカーであれば将来を見据えた材料開発を支援し、自動車メーカーであれば電池を車両へ実装する技術開発を支援しています。

清水

私は潤滑剤メーカーで製品開発や技術開発を担当していました。電池とは全く異なる分野です。大学時代に材料合成を学び、電池分野に触れた経験もあったことから、KRIへの転職にはその学びを少しでも生かしたいという思いがありました。正直に言うと、転職前は電池分野の研究といっても限られた範囲を想像していましたが、入社してみて、二次電池分野の研究領域の広さに驚きました。現在は、材料の合成や電極の作製・評価・分析など、電池の研究の中でも上流側を担当しています。プロジェクトでは、近藤さんが実験方針の叩き台を作成し、お客様と内容のすり合わせをしたうえで、その計画を具体化し、実行するプロセスを私が担当しています。

近藤

その時々によって異なりますが、年間で10社以上のお客様を担当しているので、私が持っている案件の一部を清水さんにお願いしたり、他の人にも振り分けたりしながらチームで連携しながら仕事を進めています。

Theme02

2030年の完成を目指し、KRI主体で取り組む自社発信プロジェクト<超長寿命電池プロジェクト>を推進

近藤

今、私たちが取り組んでいるのが「超長寿命電池プロジェクト」です。このプロジェクトは、お客様からの要望を受けて始まったものではなく、2030年の社会を見据え、もっと広く世の中のニーズに応えるために、自分たち主体で立ち上げた自社発信のプロジェクトです。目指しているのは、従来の電池の5倍の寿命。たとえば自動車用電池であれば、走行距離75万km〜100万kmを目標にしています。主な市場は自動車分野ですが、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを蓄電する用途など、電池が求められる場面は今後さらに広がっていきます。こうした用途において電池が長寿命であればあるほど資源の有効活用や環境負荷の低減にもつながり、社会的な価値も高いと考え、この研究が始まったんです。

清水

私がこのプロジェクトに入ったときは、もうおおよその方向性は決まっていて、出願もされていたタイミングでしたが、スタートしたときはどんな感じだったんですか?

近藤

2020年に入社したときから担当し、最初は役員と二人でしたから、実務はほぼ一人で進めていました。技術構築を一人でやって、特許出願についても最初は一人で進めて、徐々に社内のメンバーを巻き込み、将来的には他の会社も巻き込んで、プロジェクトの規模がだんだん大きくなっていったという形でした。

清水

そうだったんですね。私は他の案件と同様、近藤さんが作った叩き台をもとに、実際に手を動かして電極を作製する作業を手伝うような形でこのプロジェクトに合流しました。

近藤

私が作った叩き台を洗練させていく、最初はそんな役割を清水さんに任せていましたね。

清水

それがなかなか難しい役割で…私はまだ知識が少なかったので、先輩方の力も借りながらとにかく手を動かし続けました。中でも電極の作製は自分にとってはハードルが高くて、思いつくことをやってみるけどなかなかうまくいかない。それでもいろいろやってみて、「こうなったから次はこうですよね?」と近藤さんに確認に行って、「それなら次はこういうことをしたらいいんじゃない?」とヒントをもらって、ということの繰り返しでした。

近藤

正直に言うと、当時はちょっと方向性がずれているなと思う質問や相談もなくはなかったのですが、逆に新鮮な目線で意見をくれて助かったということもたくさんありました。私自身、清水さんを指導するとか育てるという感覚はなくて、一緒に考える、一緒に成長するという意識でした。

清水

近藤さんはこのプロジェクトを進めるにあたって、どんなことに一番苦労されていたのですか?

近藤

一人でやっているときよりも、プロジェクトが進んで人を巻き込んでいくプロセスになったときが大変でした。当たり前だけど、他人は自分じゃないので、自分が思った通りには動かないものだし、ましてや他の会社となるとなおのこと。理想と現実のギャップがどんどん広がって全然違う方向に進んでしまったり、社内調整の面で葛藤が生まれたこともありました。ただ、人を巻き込むことによって得られる成果は一人のときより確実に大きくなるので、そこが踏ん張りどころなんですけどね。

Theme03

近藤さん・清水さんってどんな人?
互いの強みを認め合い、チームとして進化する信頼の形

清水

私は自分に知識がないこともあって勝手にプレッシャーを感じていましたが、近藤さんは、そんな私にも意図がきちんとわかるように話してくれる人。これが必要だからこういうことをやらないとね、というふうに話してくれるので、何を言われても納得できるんです。

近藤

清水さんは二次電池分野の経験があまりなかったということで、最初はスムーズにいかないこともあるように見えていたけど、徐々に任せる仕事の量と範囲が増えていきました。今ではいくつかのテーマで主担当も任せていて、すごく成長していると感じます。粘り強く取り組むタイプで、それが強みですね。今後はもっと全体を俯瞰して業務を進められるようになってもらえたらと思います。

清水

任せてもらえる範囲が広がってきていることは自分でも感じています。役に立てることも増えてきているはずだと信じていますが、それを言葉にして言い合うことはないですね。

近藤

なんとなくそれぞれが感じている、というくらいですかね。人が増えていく過程は大変だけど、チームになってしまえば皆、心強い存在ですよ。

清水

近藤さんのすごいところは、何かを質問したとき、すぐに答えが出てくること。自分なら時間をかけて答えを出すようなことでも、近藤さんはすぐに答えを出す。その理由が知識なのか経験値なのかはわからないけど、すごいです。自分が今まで関わってきた人の中でも突出していると思います。

近藤

そんなスーパーマンみたいなことはできていないと思うけど(苦笑)、もしもそう思ってくれているなら、それは皆、いろいろな案件を担当しているので、来たボールはなるべく早く返してあげるように意識しているからだと思います。投げた側も早く返ってきた方がうれしいだろうし、自分にとっても結果的に楽なので。やっているうちにその方がいいなと思うようになりました。

清水

リーダーになって意識が変わったというようなことはありますか?

近藤

今の清水さんがそうなのかもしれないけど、以前は自分ができることを増やすことだけを考えていたけれど、今はチームのメンバーが、それぞれにできることが増えれば、それは、リーダーである自分のできることが増えているということなんだと、今はそう思っています。

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風通しの良いフラットな環境で研究の醍醐味を存分に味わう、KRIならではの魅力と今後の展望

近藤

メーカーにいたときは、自分の会社が良くなるためにどうすればいいかという視点で物事を考えていました。でも今は、いろいろな会社、ひいてはこの業界全体が良くなるためにはどうすればいいかという視点で物事を考えるようになりました。経験を重ねることで目線が変わってきた、そこは自分でも面白いと思います。

清水

KRIの研究員は、それぞれに異なるバックグラウンドや専門分野を持ち、前職もさまざま。私はそういう人たちと話すのが好きです。業務上あまり関わりのない部署の人と昼ごはんを食べることもよくあります。知り合いと昼ごはんを食べていたらその知り合いがやってきて一緒に食べる、みたいな。自然と人が集まる感じで、そこがいいなと思います。

近藤

確かにそういう雰囲気はあるね。

清水

最近はCTOともよく昼ごはんを食べているんですよ。昔こんなことがあったとか、こういうことをしに海外に行ったとか、マーケティングに関する話をよく聞いています。父親に近い年齢の人だけど、気さくに話しかけてくれます。一つの会社だったらその業界のことはすごく詳しいけれど、そうじゃないところは全然、っていう人が多いと思うんですが、KRIはそうじゃない。そこがいいです。だからこそ、今は自分がやれること、自分の強みを増やしたいと思っています。

近藤

私は今、築き上げた技術を電池分野に関わるさまざまな会社に技術提案をする活動に取り組んでいます。上司や部長、役員とも相談しながら提案先を検討し、実際の技術提案は私が担当しています。先日は10日間、インドに行ってきました。

清水

インド、どうでしたか?

近藤

皆、エネルギッシュで、その辺を歩いている人がすごく楽しそうに見えました。人口にしても経済にしても上向きの国だから、とても刺激的で、パワーをもらえましたよ。

清水

研究にもますます熱が入りそうですね。

近藤

そうですね。だからというわけじゃないけど、今、プロジェクトとして取り組んでいる超長寿命の他にも、安全性とかいろんな切り口で新しい研究も始めています。同じ5年後を目指した研究でも、取り巻く環境や課題は変わっていくので、新しい技術へのチャレンジを止めることはないし、それが、研究員の醍醐味であり、使命でもあると思っています。

清水

私もゆくゆくは外に出て、いろいろな業界のお客様と話したり、提案ができるようになりたいです。昨日も電池討論会の後、現地で顔を合わせたお客様と近藤さんと一緒にコーヒーを飲みに行っていろいろ話をしたのですが、とても勉強になりました。

近藤

これからはそういう機会も増やしていきたいですね。

清水

はい。でも、まずは多くの役割を引き受けてプロジェクトも回している近藤さんを間近で見ながら、その姿を目指していきたいと思っています。KRIには幅広い年齢層の研究員がいるので、近藤さんと私のように年齢の近い研究員が同じチームにいるというのは比較的珍しいことなんです。自分の5年先を行く人が身近なところにいるというこの心強い環境に感謝して、これからも努力を続けていきます。

近藤

お客様や業界の発展のために研究ができる喜びと楽しさを味わいながら、一緒に頑張っていきましょう。