ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
検索日と情報が異なる可能性がございますので、あらかじめご了承ください。
2009.9.15

二面性マイクロボールの新規製造技術を開発

―液滴衝突型の新規マイクロリアクターによる粒子製造―

 株式会社KRI(社長:成宮 明)は、二面性マイクロボールの簡便な製造技術を開発しました。二面性マイクロボールとは球状のミクロンサイズの粒子で、1つの粒子内の半面ずつが異なる性質の表面を持つユニークな異方性微粒子であり、新しい機能性粒子として各方面での応用が期待されます。

背景

 開発したマイクロリアクター1)の構造を図1に示します。メイン流(連続相)が2つのサイド流(分散相)を包み込むように層流状態で合流し、各サイド流から吐出した液同士がメイン流内で衝突するように空間的に精密に位置合わせをした設計・加工を施しました。各サイド流の原料液を時間的に精密に同期させて液滴を間欠的にメイン流内に吐出させ、液滴同士を合一・反応させることにより単分散の粒子形成を行います。
 近年、微粒子の高機能化を目指して、ユニークな粒子合成の研究開発が盛んに行われ、いくつか実用化も進んでいます。そのユニークな微粒子の1つとして、二面性マイクロボールがあります。この粒子は、球状粒子の片面だけを改質してつくられます。具体的には、粒子を一層にならべて片面だけを改質する方法、毛管力を利用し粒子を凝集させ液体が接する面だけを改質する方法などが知られています。しかし、これらの方法では改質の均質性や生産性に課題がありました。

技術の特徴と応用展開

 KRIでは、独自の3次元マイクロリアクターに改良を加え、二面性マイクロボールを簡便に製造する技術を確立しました。従来の二面性マイクロボール製造法とは異なり、全く新しい発想で設計したものです。本技術では、2種類の液体または溶液状の粒子原料を、それらと混和しない溶媒中で合一させて液滴とし、それを固化します。
 開発したマイクロリアクターの構造を図1に示します。メイン流(連続相)が2つのサイド流(分散相)を包み込むように層流2)状態で合流し、各サイド流から吐出した液同士がメイン流内で衝突するように空間的に精密に位置合わせをした設計・加工を施しました。各サイド流の原料液を時間的に精密に同期させて液滴を間欠的にメイン流内に吐出させ、液滴同士を合一・反応させることにより単分散の粒子3)形成を行います。

 本技術の特長は次の通りです。

1.マイクロ空間内の層流状態で液滴を制御し、異種液滴を1対1で確実に衝突させ反応・固化させて単分散の微粒子を連続的に製造することが可能です。
2.流速調整などにより、粒子径を容易に変えることができます。
3.粒子合成と二面性形成を同時に行うため工程が簡便であり、また、1つの手法(装置)で様々な二面性の組み合わせの粒子の製造が可能です。
4.マイクロリアクターは3次元構造で、反応界面から流路壁までの距離が離れているために、生成粒子が流路壁に付着せず、流路閉塞などの問題が解消されます。
5.従来の方法では、半球表面層のみを改質するものでしたが、このマイクロリアクターでつくられる二面性マイクロボールは、内部までの改質も可能となります。
6.さらにマイクロリアクターの設計を工夫することにより、多面性マイクロボールの製造も可能です。

 本技術により、半球ずつ色の異なる粒子、電荷の異なる粒子、親水性/撥水性粒子、または片面のみ触媒や反応性基を導入したミクロンサイズの微粒子などを、二面性マイクロボールとして製造することができます。これらの粒子は、電子ペーパーのための回転ビーズ、微粒子乳化剤、微粒子触媒、塗料添加剤、MR流体などへ応用できるものと期待しています。今後、材料メーカーやデバイスメーカー等と共に、二面性マイクロボールの実用化に向けて研究開発を行う予定です。

この内容に関するお問い合わせ

構造制御材料研究部