セラミックスバルク体作製時にCNF(セルロースナノファイバー)極微量添加により、環境低負荷型プロセスの構築を目指す
背景・目的
背景
セラミックスバルク体は加圧成形、鋳込み成型、押出し成形などで作製されています。合成用粉末には助剤や添加剤との混合のために分散剤が添加(数wt%)され、成形時の形状維持にバインダーが添加(数wt% )されています。バルク体の密度向上には焼成前の脱脂が必要で、それに伴うガスの発生が課題となっています。
目的
分散剤、バインダーレスかつ脱脂プロセスを省略するための新たな添加剤としてのCNFの効果を検証しました。
本技術の特徴と結果
特徴
CNFは保形性があり、セラミック粉末の分散剤或いはバインダーとしての効果を発現します。そのため脱脂プロセスが不要となります。また、CNFを構成する元素はC,H,Oであり燃焼して発生するのはCO2またはH2Oであることから環境低負荷となることも期待できます。
結果
繊維径の細いKRI製CNFでは0.1wt%添加で成形体が作製でき、かつ相対密度99%の焼結体を得ることができました。無垢のアルミナ焼結体のため強度は一般のアルミナに劣るが、高強度化の可能性を秘めています。
KRIからのご提案/今後の展開/期待される成果など
今後の展開
①高強度化ための検討
⇒助剤
⇒配合組成
②ポーラス焼結体の検討
ご提案
①流動性を担保した高い固形分濃度
スラリーからのバルク体の合成
②気孔制御可能なスラリーの開発
いずれもCNFを利用した低環境負荷を目指します。