一次粒子径10nm未満のナノ粒子をマトリクス樹脂に均一分散して得られたナノコンポジットが、混合則から予測される以上に低線膨張性を示すことが分かりました。適切なナノ粒子サイズの選定とその分散による完全均一分散ナノコンポジットによる線膨張係数低減を提案します。
目的・背景
- ●ナノサイズ微粒子と樹脂との複合化によるナノコンポジットは、ナノ粒子による比表面積増大に基づき物性改善効果が発現しますが、微粒子のサイズ選定とその分散状態のコントロールが不十分です。
- ●真のナノサイズ効果は、より微細なナノ粒子が均一に分散している完全均一分散ナノコンポジットによって得られることが分かってきました。KRIでは本コンセプトによる線膨張係数低減を提案します。
本技術の特徴
1.ナノサイズ効果
- ・直径が10nm未満のナノ粒子を、マトリクス樹脂との親和性を最適化して、完全均一分散状態にします。
- ・ナノ粒子を少量配合することで、線膨張係数が顕著に低下します。
2.ナノサイズ効果と体積効果との併用
- ・「ナノフィラー(ナノサイズ効果)」と「ミクロンフィラー(体積効果)」により、さらなる線膨張係数の低減を図ります。
KRIからのご提案
- ●低線膨張樹脂の開発
KRI保有の有機合成技術やシルセスキオキサン等の 無機化合物合成技術とのハイブリッド - ●パワー半導体用封止材、層間絶縁膜の開発
高度な寸法安定性を有する低線膨張樹脂/無機フィラー
複合化によるターゲット組成物の開発 - ●機能性接着材の開発
線膨張係数の精密制御や傾斜化性能を有するターゲット組成物の開発