マイクロ波合成技術を利用し、シャープな粒度分布で結晶性の高いInP量子ドットの合成研究を提案します。
目的・背景
- ●KRIでは、マイクロ波を用いて結晶性が高く、粒径の揃ったチタニアのシングルナノ粒子の合成に成功しています。
- ●シングルナノ粒子の量子ドットは、医学診断における蛍光イメージングの他にも、ディスプレイや照明などへの活用が進められています。
- ●可視光域で発光する量子ドットとして、CdSeやCdTeに代わり、有毒なCdを含まないInPが注目されていますが、サイズ制御が困難という課題があります。
本技術の特徴
1.マイクロ波合成法
マイクロ波は、溶媒を短時間で加熱できるとともに原料を直接加熱して化学結合を開裂させますので、反応を短時間で完了できるとともにシャープな粒度分布で結晶性の高いナノクリスタルを得ることができます。
2.量子ドットによるフォトルミネッセンス
・粒子サイズにより様々な発色をさせることができます。
・発光波長より短いあらゆる波長の光で励起可能です。
・色純度が高く、色再現範囲を拡大できます。
KRIからのご提案/今後の展開/期待される成果など
- ●InP量子ドットの合成は300℃程度の加熱が必要なため、温度の時間的/空間的バラツキにより粒度分布が広くなりますが、マイクロ波を利用することでシャープな粒度分布が期待できます。
- ●ナノ粒子のコア-シェル形成技術を展開し、さらに高輝度で安定性の高い量子ドットの合成が期待できます。