電磁振動式エネルギーハーベスティング研究

  • ●発電原理は厚膜Nd磁石を用いた電磁誘導振動発電
  • ●従来の圧電方式や静電方式と比較して、高エネルギー密度(3mw超級)の発電

目的・背景

  • ●環境中に薄く広く存在する未利用のエネルギー源から発電するエネルギーハーベスティングの研究が進められている。
  • ●KRIでは、高性能な希土類磁石の高速厚膜成膜技術シーズを基に、MEMS技術を用いた磁石デバイスの研究を実施中
  • ●新規磁石を用いた高効率エネルギーハーベスティングを開発
  • ●発電量が3mW超高出力のエネルギーハーベスティングを開発

本技術の特徴

1.発電原理

・厚膜磁石を用いた電磁誘導式慣性力発電マスmがバネ定数kで支持され片持ち梁構造において、慣性力振動を電磁誘導によって発電させる。デバイスは、振動源の周波数に共振させることにより大きな振動振幅を示す。

  ①ステンレス片持ち梁構造
    →振動振幅、耐久性、低コストの観点

  ②厚膜磁石の面方向着磁
    →外部に及ぼす磁化の大きさが極大

  ③コイルは磁化方向に沿って巻回配置
     コイルは梁の振動方向に複数積層

    →コイルに錯交する磁束変化が極大

2.発電量見積り

・共振解析、電磁解析にてシミュレーションにより下記式を用い、誘導起電力を算出し発電量を見積もった。

    誘導起電力 V=−N(dф/dt)= − NS(dB/dt)     ф:磁束、N:巻数、S:コイル断面積、B:磁束密度

  ・前提条件
    ステンレス片持ち梁サイズ:10mm×20mm×0.075mmt
    厚膜磁石:ネオジム磁石(150μm厚)
    共振周波数:100Hz、振動加速度:1G

  ・結果:コイル150巻で3mW以上の実効発電量を得る

KRIからのご提案/今後の展開/期待される成果など

  • ・3mW超級のハーベスターの開発
  • ・用途(振動源、負荷抵抗)に応じたハーベスターの開発
    • 振動源の周波数(数10Hz〜数kHz)
    • 振動源の加速度(1m/S2〜20m/S2)

この内容に関するお問い合わせ

スマートマテリアル研究センター