化合物の物性および特性推算技術

近年、材料開発の効率化や新規発想をもたらすための技術として、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)や人工知能(AI)、機械学習といった計算科学に期待が寄せられています。このような中、KRIでは回帰分析に原子団寄与法を応用することにより、化合物の構造から所望の物性を推算するための技術を蓄積してきました。経験則から推算する本手法のメリットとして、データ数が多ければ、理論計算が困難な物性値(下記のような感温相分離性等)も推算できる点があります。お客様の所望する物性に関し、保有するデータをご提示いただければ、推算式作成の可否判断を行いますので、お気軽にお問合せください。

技術の特徴(屈折率推算の事例)

●原子団の物性パラメータは、既知データの重回帰分析回帰式の 係数から算出
●溶解パラメータ(SP値)の推算式も構築済
●他の物性の推算も可能
●説明変数は原子団の物性パラメータのみならず、温度、組成比、分子量など他のパラメータを採ることも可能

感温相分離化合物の設計への応用事例

水溶液中から貴金属を抽出する化合物の設計に応用した事例を示します。本化合物(感温相分離化合物)は、水と混合した際、室温では均一溶液となり、加温すると二相分離する性質を持つものであり、無限界面(均一溶液状態)から抽出可能な高効率な抽出剤として利用できます。ここでは、感温相分離性の有無に関しKRI独自の回帰式を作成し、材料開発に応用しました。

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スマートマテリアル研究センター