コンポジット材料の特性シミュレーション

圧電粒子を分散したコンポジット材料の圧電定数評価

本技術は圧電粒子をエラストマー系の母材に分散させた際,一定水準の柔軟性と高い圧電定数を両立する材料を実現するために,シミュレーションでサンプルを評価し設計方針を得るものです。

背景・目的

●近年、圧電材料業界では高性能化等を目的として、単体の材料ではなく数種類の材料を組み合わせるコンポジット材料が注目されています。しかしながら、新しい材料の性能をテストするために毎回サンプルを用意するのは時間的・コスト的に容易ではありません。

●課題を解決する手段としてKRIでは粒子分散系の圧電材料のシミュレーションを構築しました。

本技術の特長

1.シミュレーションで調整可能なパラメータ
KRIではシミュレーション方法を構築するためのノウハウと高精度のモデリング技術により、シミュレーション内で作成したサンプルについて幅広く細かな調整が可能となります。圧電解析を例にとると下図に示すパラメータをはじめとした多くのパラメータの変更に対応可能であり、お客様のニーズやご要望に寄り添いつつ、高性能なコンポジット材料の発見・開発に貢献いたします。

2.様々な分野に対応したシミュレーション
KRIではシミュレーションとして有限要素法を使用しています。有限要素法では本件の圧電解析のほかに磁場、熱、流体、応力解析等、幅広い分野の解析を行うことが可能です。また一部の解析は連成解析が可能であり、本件においても圧電解析と応力解析を連成し、下図に示すような実際の圧電定数測定と同等な試験をシミュレーションにて再現することで、サンプルの圧電定数を評価しています。

シミュレーションによる検証

  • ●コンポジット材料に荷重が加わった際、発生する電荷の量についてシミュレーションを行いました。
  • ●シミュレーションより、圧電粒子の混合比率が変化した際、圧電定数に与える影響は組み合わせる母材によって増減の傾向が変化することを確認しました。

KRIからのご提案

1.コンポジット材料の熱伝導率評価
・上記の圧電解析と同様に、コンポジット材料をモデリングし熱解析によって熱伝導率を算出することが可能です。

2.コンポジット材料のヤング率(弾性域)評価
・上記の圧電解析と同様に、コンポジット材料をモデリングし応力解析によってヤング率を算出することが可能です。

この内容に関するお問い合わせ

スマートマテリアル研究センター