高移動度を有する被覆型分子ワイヤの開発

●分子エレクトロニクスへの応用を可能とする高移動度の被覆型分子ワイヤの合成
●ナノ空間内での重合反応による新規分子配線法の開発
●ボトムアップ的手法による分子エレクトロニクス素子の開発

目的・背景

次世代エレクトロニクス材料としての共役ポリマーの課題
空気酸化され易い
光や熱によって劣化し易い
鎖間ホッピング伝導のため低い移動度(半導体材料)
鎖間エネルギー移動のため蛍光量子収率低下(発光材料)

本研究の目的

  • 高安定性、方向性、溶解性を有する被覆共役ポリマーの新合成法の開発
  • 簡便・安価な溶液プロセスによる分子配線法の開発

本技術の特徴

1.高い電荷移動度を有する被覆型分子ワイヤの合成

  • ・ロタキサンモノマー重合により高いキャリア移動度を有するフェニレンエチニレン共役系ロタキサン合成に成功
    • メタ位連結共役鎖により高い移動度(3.0 cm2/Vs)
      • →分子軌道の規則正しい局在化
        • 軌道レベル平準化
        • 高効率ホッピング伝導を誘起
  •    ☆本手法は、分子配線材料としての利用が可能

2.ナノ空間サイズに依存しない分子配線法の開発

  • ・ナノ電極表面へのセレン介在重合反応点導入により、高再現性の分子配線法の開発
    • →電極間距離約20nm で可能に!
  •    ☆本手法は、異なる電極ギャップへの配線が可能

期待される成果と応用

  • ●被覆型共役モノマーと分子配線法の展開・応用
    • π共役機能性分子の共役鎖内に機能性部位の導入
    • 外部刺激応答分子素子;
    •   イオンセンサ、光スイッチングデバイス、分子メモリなど
  • ●メタ位分岐型被覆分子ワイヤの展開
    • メタ位間共役鎖の伸張、構造変化による電荷移動度向上
    • アモルファスシリコンを凌駕する有機半導体材料開発
    •   ☆新規有機デバイス構築への展開

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