粘弾性を有する新規磁性デバイスの開発

 磁気機能性材料の一つである磁性エラストマーは振動アブソーバー、流量制御、磁気式触覚センサ、ソフトアクチュエータなどへの工学的応用への研究がなされています。KRIでは磁性エラストマーに残留磁化を持たせた永久磁石エラストマーを開発しました。
 これにより、外部磁場印加時の電源が不要となり、装置の小型化も見込めます。

①磁性エラストマーを用いたアクチュエータに関する研究

印可磁場強度によりサイズが変化する特性を用いて流量制御に応用
→振動・騒音の抑制、機械寿命の延長などに貢献

②永久磁石エラストマーを用いた振動発電に関する研究

磁化された物体に力が加わると表面磁束密度が変化
⇒逆磁歪を利用することでファラデーの電磁誘導の法則にもとづいた振動発電が可能

<発生電力 実験結果>
発生電力と振動数は2乗の関係
→最大で472μWの発電が可能
 低消費電力のワイヤレス通信に必要な10μWを達成

<誘導起電力の基本式>

<今後の改良予定>
・高残留磁束密度のネオジム粉使用
・異方性ネオジム粉使用⇒均一分散とクラスター構造との比較
 表面磁束密度向上を狙う

・永久磁石エラストマーの面積増大
・永久磁石エラストマーとコイルの配置の適正化
・永久磁石エラストマーの弾性率の調整

期待できるアプリケーション

居眠り検知用の着座センサ振動発電

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スマートマテリアル研究センター