生分解性と熱可塑性を兼備えるセルロース誘導体

環境にやさしい天然由来ポリマー
溶融加工可能なプロセス親和性の高いセルロース誘導体

目的・背景

  • ◆セルロースは、硬直な分子鎖に加え、分子鎖の間に膨大な水素結合が存在するため、一般溶媒への溶解性、溶融成形性を持たない天然ポリマーである。
  • ◆熱可塑性を付与するには、大きい官能基を導入してセルロースの水素結合を切断したり、分子鎖の配向を崩したりする方法が挙げられる。しかし、少ない官能基導入では熱可塑性が未発現、大量導入による生分解性の消失が課題となっている。

本技術の特徴

  • ◆KRIでは、溶解と修飾反応に優れた新規なセルロース溶媒(TBAA/DMSO混合液)を開発し、この新規溶媒を用いることでセルロースの均一修飾反応が可能になり、6-OH を選択的に修飾することができる。
  • ◆アセチル基と嵩高い官能基の配合比や導入位置を制御することにより、効果的にセルロース分子鎖間の水素結合を切断したり、分子鎖の配向を崩したりすることにより低い置換度でセルロースに高い熱可塑性を付与することが可能となった。結果として、生分解性の低下を抑制可能である。

KRIからのご提案

●2種類のアシル基の構造、置換度、配合比を制御することにより生分解性と熱加工性を兼備えるセルロース誘導体の合成と評価、その応用技術検討

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スマートマテリアル研究センター