KRIは磁性流体を閉ループ流路に充填し、廃熱印加のみで継続的に流動可能な電源フリーの磁性流体駆動デバイスを開発しました。本技術を用い、冷却&熱輸送や発電を目指した「磁性流体駆動デバイスの応用研究」のマルチクライアントプロジェクトをご提案します。
本技術の特徴
1.原理
- ・磁性流体は加熱すると磁化が下がるという感温磁化特性があります。
- ・図1の通り、常温の磁化と比較すると100℃に加熱すれば、磁化が1/2以下に低下します。
- ・磁場を印加すると、磁性流体には磁気体積力(f)=M×▽Hが働きます。
図2の通り、磁性流体に廃熱を印加するとその部分の磁化が下がり、
右向磁気体積力>左向磁気体積力となり、右方向に自己循環が始まります。
2.特徴
- ・メカ機構持たない、電力なしで駆動する循環ポンプ。(液冷ポンプに対して優位)
- ・5m以上と比較的長い距離と、フレキシブル配管での熱輸送が可能。
(ヒートパイプに対して優位) - ・重力依存性がほとんどない。(ヒートパイプに対して優位)
3.考えられる応用
- 用途分類例(他、熱発電用途など)
Phase1(共通部分:マルチクライアントプロジェクト)
●Phase1概要
具体的応用を検討する為、適正な磁性流体の選定および磁気回路を製作し、磁性流体駆動デバイスを試作・構成し、各種基本評価をおこないます。
●成果物
1)技術資料
- ・本プロジェクトで実施した理論検討結果、試作結果、評価結果、課題などをまとめ、技術資料として提供します。
2)試作サンプル
- チューブ流路型磁性流体駆動デバイスの試作品を1台提供します。
3)特許ライセンス
- ・本技術に関するKRIの基本出願特許を一時金(イニシャルフィー)なしで、通常より低率のランニングロィヤリティで実施許諾します。
- (該当特許:特許6113439、特許6172945)
●進め方
- ・プロジェクトは随時スタート致します。
- ・プロジェクトの成果物は、契約後2か月先の納入とします。
Phase2(用途ごとのシングルプロジェクト)
●Phase2概要
Phase1プロジェクト終了のクライアント様を対象として、磁性流体駆動デバイスを各種用途に合わせた応用開発研究をおこないます。例として下記のケースを想定しており、一用途一クライアント様を基本とします。
<応用プロジェクト例1>
モバイルパソコンのCPUの冷却
- 本技術を用いて、約50W/cm2冷却能力の超小型・軽量デバイスを開発します。
- 磁気回路と流路の構成と小型化などがポイントになります。
<応用プロジェクト例2>
パワー半導体素子の冷却
- 本技術を用いて、約数10W/mm2冷却能力のデバイスを開発研究します。
- 熱特性の良い磁性流体の開発とデバイス構成などがポイントになります。
<応用プロジェクト例3>
太陽光コレクタ
- 本技術を用いて、長距離で熱輸送能力の高いデバイスを開発研究します。
<応用プロジェクト例4>
廃熱発電
- 本技術を用いて、発電能力の高いデバイスを開発研究します。
- 導電性の良い磁性流体の開発とデバイス構成などがポイントになります。
●進め方
- Phase1終了後、KRIとクライアント様の間で具体的研究内容を擦りあわせ個別にスタートします。