より差を明確にするために繰返し数を増やす

実験には誤差が伴います。誤差を加味したうえで、二群間に差があることを明確にするために実験の繰り返し数を増やすことを提案します。

●統計的有意差

 ある条件水準と別の条件水準の結果の差が統計的に有意なものなのか、それとも偶然なのかを判定する手法の一つにt検定があります。

●有意水準

 大まかに「二水準の差が偶然ではなく本当に差がある」判断が間違っている確率で、5%が採用されることが多いです。


1. 2回施行の場合(A−B)

 2水準の2回施行で等間隔にばらつく場合、2水準の平均の差が2回施行の最大値と最小値の差の3倍の場合、有意水準5%で有意差ありとはなりません。

2. 3回施行の場合(C−D)

 2水準の3回施行で等間隔にばらつく場合、2水準の平均の差が3回施行の最大値と最小値の差の1.2倍の場合、有意水準5%で有意差ありとなります。

3. 5回施行の場合(E−F)

 2水準の5回施行で等間隔にばらつく場合、2水準の平均の差が5回施行の最大値と最小値の差の0.6倍の場合、有意水準5%で有意差ありとなります。

▶実験結果の差が有意かを統計的に議論するために、繰り越し測定を行う実験計画の実施をご提案いたします。
▶二群間の差をより明確にするために、KRIではある水準の施行回数を少なくとも3回、好ましくは5回以上を推奨します。

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スマートマテリアル研究センター