株式会社関西新技術研究所(社長:竹内正明)は、「強靭性ジルコニアナノコンポジットの製品化委託研究プロジェクト phase1」を昨年9月1日から進めています。このプロジェクトにより、各方面から本材料に対して非常に高い関心が寄せられていますので、幅広い応用展開を期待してマルチクライアントプロジェクトへの参加企業を2次募集します。
本材料の特徴
1. 松下電工株式会社(社長:西田一成)と大阪大学産業技術研究所の新原晧一教授らのグループが共同で開発した
ジルコニア系ナノコンポジットであります。
2. 本材料は、現在広範に使用されている汎用ジルコニアに匹敵する強度と3倍の靱性を実現した優れた
耐衝撃性能を示し、世界最高水準の強靱性を達成した新規なセラミック(Ce-TZP/AI203)材料です。
3. セリア安定化正方晶ジルコニアの結晶粒内にナノメータサイズ(10-9m)の微細なアルミナ粒子を分散させた
新規なナノ複合化組織の形成に成功し、最大の欠点であるセラミックの脆さを克服しました。
また、湿潤環境下で特性劣化しない品質安定性があります。
4. 本新規なナノ複合化組織の形成には特殊な方法を用いることなく、通常の粉末冶金的手法により作製可能です。
松下電工(株)は、複雑形状に適した粉末射出成形、常圧焼結による量産化技術を開発し、業務用
セラミックバリカンの可動刃に実用化した実績があります。
本材料の期待される応用展開
● 医療用具関連部品:インプラントなど
● 産業機械精密部品:各種摺動部品、シール部品など
● 事務・理化学用品:はさみ、カミソリ刃、メスなど
● 電子デバイス用部品:回路基板、センサー用基板など
● 化学部品:化学プラント部品、粉砕メディア、排出ガス浄化触媒など
募集要項
KRIは、本強靱性ジルコニアナノコンポジット材料の幅広い実用化を進めるため、マルチクライアントプロジェクトを実施しています。本プロジェクトに参加した企業は、KRIから本ナノコンポジットの基本特許の通常実施権を受けることができ、かつ、Phase毎のプロジェクト遂行過程で発生した成果を共同で出願できる特典が得られます。
●Phase1(2001年9月〜2002年2月):実施中
費用:800万円/1クライアント
●Phase2(2002年3月〜2003年2月):2次募集分
内訳(期間1年:6ヶ月毎に2分割)
Phase2−1(2002年3月〜2002年8月)
Phase2−2(2002年9月〜2003年2月)
費用:800万円/6ヶ月/1クライアント
なお、Phase2−1終了後に、Phase2−2への継続参加、あるいは終了かの選択ができます。
KRIはPhase1への参加企業を12月8日から2次募集し、本プロジェクトの説明会を2002年1月30日に行ないます。