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2001.10.10

有機EL用封止材およびプラスチック基材のガスバリア性新評価法の開発に成功しました

  株式会社 関西新技術研究所(KRI:代表取締役社長 竹内正明、受託研究本部:京都リサーチパーク)は、有機ELディスプレイに使われる封止材やガスバリアフィルムのガス遮断性能を、従来のガス透過量測定法よりも1000倍程度早く、また従来測定法の6分の1程度の小さなサンプル小片で評価する方法の開発に世界で初めて成功しました。

  現在、高性能ガスバリアフィルムの開発は、食品用包装材やフラットパネルディスプレイの開発に向けて大きな課題となっています。特に次世代の軽量薄型ディスプレイと期待される有機エレクトロルミネッセンス(EL)の開発には、EL素子の寿命向上という観点から、今までにない高性能なガスバリアフィルムや封止材料の開発が必要となっております。

  しかしながら、従来のガス透過量を測定する最も一般的な方法であるクーロメトリック法では、高いガス遮断性能が要求される高性能ガスバリアフィルムの測定には1週間以上かかることが想定されるため、新たに高速かつ高感度な評価技術の開発が切望されていました。

  今回、開発した評価手法は、こうした問題を解決するため、発光性色素の発光強度の減衰からガス遮断特性を調べる新しい方法です。発光性色素は酸素などにより劣化し、発光強度が減衰します。この減衰曲線を解析することによりガス遮断性能が評価できます。この技術により従来の評価方法では1週間以上の期間を費やしていたものを数時間で評価することができます。また、有機ELの発光層劣化と直接結びつけた研究にも応用が可能です。

  今後は本件に関し、複数の企業を対象にした先進プロジェクト(マルチクライアントプロジェクト)を今年12月から6ヶ月の期間で行う予定で、現在、参加クライアントを募集しています。本プロジェクトでは、評価法の改良を進めさらに高感度で評価する装置の開発に着手するとともに、外的環境変動による有機EL劣化要因を解明する研究に発展させる予定です。

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