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2001.5.30

世界最高の強靱性を示すジルコニア系ナノコンポジットの実用化研究を開始

  株式会社関西新技術研究所(KRI 社長:竹内正明)は、松下電工株式会社(社長:西田一成)と大阪大学産業技術研究所の新原晧一教授らのグループが共同で開発した世界最高の強靱性を示すジルコニア系ナノコンポジットの実用化研究を8月1日から開始します。

  従来の汎用セラミックスであるイットリア安定化正方晶ジルコニアは、低温・湿潤環境下で相転移を起こし強度劣化しやすい問題点と、高強度ではあるが靱性が伴わない問題がありました。

  今回、松下電工(株)と大阪大学は、セリア安定化正方晶ジルコニアの結晶粒内にナノメータサイズ(10-9m)の微細なアルミナ粒子を分散させた新規なナノ複合化組織の形成に成功し、これらの問題点を克服しました。本ジルコニア系ナノコンポジットは、現在広範に使用されている汎用ジルコニアに匹敵する強度と3倍の靱性を実現した優れた耐衝撃性能を示し、世界最高水準の強靱性を達成した新規なセラミック材料です。

  さらに、本ナノコンポジットは特殊な方法を用いることなく、通常の粉末冶金的手法により作製可能です。松下電工(株)は、複雑形状に適した粉末射出成形、常圧焼結による量産化技術を開発し、業務用セラミックバリカンの可動刃に実用化した実績があります。

  この材料は、強靱性や湿潤環境下で特性劣化しない品質安定性、及び精密成形できる特徴を生かし、フェルールなどの光コネクタ部品や各種摺動部品等の産業機械部品、はさみ、カミソリ等の事務・理化学用品、ピエゾ振動板などの電子デバイス用部品、さらには、歯科用インプラントなどの生体関連部品、粉砕メディア、排出ガス浄化触媒などの化学部品等への応用が見込まれます。

  当社は、このようなナノコンポジットの特徴を生かし、多くの実用化を進めるため、マルチクライアントプロジェクトを平成13年8月から開始します。初年度は6カ月の期間で応用の一次評価を行ない、平成14年4月から本格的な実用化研究に入る予定です。本プロジェクトに参加した企業は、本ナノコンポジットの材料特許をKRIから通常実施権を受けることができ、プロジェクトの中で検討された応用特許を共同出願することができる特典を得ます。

  当社は参加企業を5月7日から募集し、本プロジェクトの説明会を6月22日に行なう予定です。

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