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2024.2.26

KRIの蓄電池事業戦略

〜世界初、現行の5倍の寿命を実現する「“超長寿命”蓄電池」開発に向けた取り組みと 「蓄電エコシステム」構築=研究開発から事業化までに必要なリソースの一括提供について〜

■産経新聞 2024年2月27日掲載
「蓄電池 超長寿化技術を開発」(pdf)

■京都新聞 2024年2月27日掲載
「蓄電池『寿命5倍』に」(pdf) ※転載期間:2024年3月15日〜2025年3月14日

■化学工業日報 2024年2月29日掲載
「超長寿命蓄電池にめど KRI、現行の5倍以上に」(pdf) ※転載期間:2024年3月15日〜2025年3月14日

■日刊工業新聞 2024年2月23日掲載
「KRI、長寿命EV電池」(pdf)

※各社に転載許可を申請し、承認を受けて掲載しています。
※無断転載・複写不可。


 株式会社KRI(代表取締役社長:川崎 真一、以下「KRI」)は、現行の5倍の寿命を実現する「“超長寿命”蓄電池」の開発に世界で初めて目途を付け、2025年度にユーザー求評用試作サンプル品の供給を目指します。また、複数のパートナー企業と連携して、研究開発から事業化までに必要なリソースを一括提供する「蓄電エコシステム」を構築し、お客様のご要望にグローバルに対応できる体制を整えました。

 蓄電池市場は、車載用・定置用などの複数の用途向けに世界で拡大し続けると見込まれています。日本においても、蓄電池は、2030 年度の温室効果ガス削減目標、2050 年のカーボンニュートラルの達成に向けて、自動車の電動化、再生可能エネルギー(以下「再エネ」)の主力電源化を達成するための最重要技術の一つとして位置付けられています。

 KRIは、先進的研究開発機能とコンサルティング機能をあわせ持つ総合的な民間受託研究会社として、エネルギー・環境技術、材料技術を中心とする受託研究・分析評価を手掛けることでお客さま事業の支援を行うとともに、自社研究により新たな技術シーズの掘り起こし、新たな価値の創造に取り組んでおり、その中で蓄電池については、特に重点分野の一つとして受託研究開発事業の拡大に取り組んでおります。

 

 “超長寿命”蓄電池の開発については、ノーベル化学賞受賞者の吉野彰先生が提唱される2030年社会に必要な蓄電池の方向性である「超長寿命化」を目指し、KRIの「超長寿命化コンセプト」に賛同していただけるメーカー様と一緒に「材料・電極・電池」「診断・運用」の2側面から「超長寿命化」について議論・開発を進めてきました。
 この度、“超長寿命”リチウムイオン電池(LIB) *1基盤技術の完成・目標到達に目途が得られたので、2025年度から10Ah(400Wh/L前後) *2のユーザー求評用サンプルの供給を開始する予定です。なお、これには今年2月に子会社化したエス・イー・アイ(株)(以下「SEI」)の試作実証技術の活用を想定しています。

 最終的には、電気自動車に搭載されている従来の30kWhの電池寿命(例えば保障16万km)を、5倍以上にすることを目指します。

*1:正極にリチウムを含む酸化物、負極に炭素材料を用いた電池で、蓄電池の種類の一つ。 小型化が可能で高性能。モバイル機器や電気自動車のバッテリーなど様々な用途で利用されている。
*2:概ね電動バイクに搭載する程度の容量。

 次に「蓄電エコシステム」については、従来からKRIでは電池技術者、材料技術者、分析技術者、調査専門員が連携し、蓄電池の研究開発をサポートする「ワンストップサービス」を実施してまいりましたが、蓄電市場が成熟するにつれ、お客様ご要望が多様化し、課題も高度化する中、KRI単独では対応できない事案が増えてきました。

 そこで、今後は高度分析・解析、試作実証、少量生産、データ解析・製品実装などの各分野で高い技術を有する外部企業、研究機関と連携し、研究開発から事業化までに必要なリソースを一括提供する「蓄電エコシステム」を構築し、お客様のご要望にグローバルに対応できる体制を整えました。

 一例として、高度分析・解析は(株)東レリサーチセンター、電極・電池・システム試作実証はエス・イー・アイ(株) (2月に子会社化)およびエナックス(株)、システム設計はマイクロ・ビークル・ラボ(株)、計測の分野では(株)東京精密、さらに蓄電池システムからのリアルデータ解析、電池状態推定、余寿命診断などを基礎としたシステム運用技術の実装開発は(株)宇部情報システムと連携していきます。

 今後は“超長寿命”蓄電池に代表される開発技術の蓄積を大きな強みとして、パートナー企業・研究機関との連携体制である「蓄電エコシステム」をベースに、蓄電池の研究開発から事業化に至る様々な局面で悩みをお持ちのユーザー企業・機関様からの委託を受け、解決策を共に生み出し、日本ひいては世界の蓄電池ビジネスの発展に寄与していきたいと考えています。そのために、様々なユーザー企業・機関様の目線からのご意見・アドバイスを頂きたく、ご関心のある方からのご連絡をお待ちしています。

1. 蓄電池の超長寿命化技術のイメージ

・「材料・電極=電池開発」で、KRIコンセプト(下図)に賛同して頂いた複数のメーカー様と共同で開発中。

・加えて「診断・運用技術」で、KRIが持つ劣化診断、寿命推定の知見に基づき、データ・モデル・経験を融合させる解析技術を利用して開発中。

2. 「蓄電エコシステム」のイメージ

・高い技術をお持ちの外部企業さま、研究機関さまとの連携・提携により、研究から事業化までに 必要となるリソースを一括提供出来る体制を構築。
・今後はさらにユーザー企業様との連携を推進し、蓄電池ビジネスの発展に向けてグローバルに対応できる体制を目指す。

【本件に関するお問合せ先】

●プレスリリースに関するお問合せ先
TEL:075−322−6830
(株)KRI 企画経理部 宮村

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